70年代の旧車に乗るなら、キャブレター仕様とインジェクション仕様が選べる場合、私は断然キャブレターをおすすめします!
70年代は世界中で排ガス規制が強化され、日本でも1978年に「昭和53年排出ガス規制」、通称「日本版マスキー法」が施行されました。この規制を受けて、トヨタはTTC(トヨタトータルクリーンシステム)というインジェクションシステムを、日産はNAPS(Nissan Anti Pollution System/日産公害防止システム)を各エンジンに導入しました。
私自身も、TTCを搭載したトヨタのマークII(MX20型)に乗っていましたが、これが予想以上にモッサリしていたんです。当時、日産のスカイラインジャパンが「名ばかりのGT達は道を開ける」と2代目セリカを広告で挑発していましたが、正直、このTTC搭載のマークIIも煽られる側の典型例でした…。

モッサリとしたレスポンス
アクセルを踏んでも、シフトダウンをしても、エンジンの反応はとにかく鈍い。これがただの「マッタリ」ならまだしも、「モッサリ」としか表現できない感じなんです。フラットなトルク感で、エンジンに盛り上がりがまったくない。もちろん、マークIIはスポーツカーではないので、俊敏なレスポンスを求めるのは酷かもしれませんが、それにしても限度がある!
購入するまでは、さすがにここまでとは思いませんでした。高速道路では必要十分に加速しますし、現代の交通の流れにも問題なくついていけます。それどころか流れをリードする場面もあるほど。それでも、あまりにモッサリしていて、運転中にイライラしてくるんです(笑)。もし現オーナーの方がこれを読んでいたら、ゴメンなさい。でも、これは本当に正直な感想です。
旧車の醍醐味をスポイル
旧車に乗る醍醐味といえば、ダイレクトなレスポンスやプリミティブな乗り味ですが、このマークIIはその楽しさを全てスポイルしてしまっています。思い切ってキャブ化しようかとも考えましたが、その後の車検や費用を考えると、そこまでする気にはなれませんでした。
故障も悩みのタネ
さらに、故障の多さも悩みでした。私のマークIIは、所有している間、一度たりとも完調な状態になったことがありません。タコメーターは常に忙しなく上下し、アイドリングが全く安定しない。振れ幅は500rpmから1500rpmを行ったり来たりで、たまにエンストするのではないかと不安になるほど。これじゃインジェクションの意味がないと思いましたね。
エア漏れを疑い、旧車に強い工場で診てもらい、インジェクターの清掃やホース交換など色々と手を入れましたが、効果なし。最後には夏場にラジエーターから盛大にお漏らしをしてしまい、ついに私の心が折れました。

3年間の付き合い
このマークIIとは約3年の付き合いで、走行距離は1万キロも走らなかったと思います。最終的には新しい旧車を購入するため、下取りに出す形で手放しました。
もちろん、クルマの個体差もあるとは思いますが、個人的には70年代のインジェクション車はもうこりごりですね。手放したクルマのことは、別れた恋人のように良い思い出だけを思い出すことも多いですが、このマークIIに関しては、今振り返ってもやっぱりほろ苦い思い出ばかりですねぇ…シミジミ。