TEXT:響 公平
2024年の終盤、オフロードバイク界隈がザワついています! カワサキの新型「KLX230シェルパ」が華々しくデビューしました。…ですが、SNSではすでに「んー、これじゃないかも?」なんて声がチラホラ…。バイクファンの心をつかむのって、本当に難しい。
この問題のKLX230シェルパ。発表時のワクワク感はどこへやら、いまや「あれ、これってもしかしてKLX230にオプションパーツ付けただけ?」なんて指摘も。皆さん、本当ニューモデルには容赦ないっすね。そこでまずSNSを中心に噴出しているKLX230シェルパの問題点をチェックしてみましょうか。
指摘その1:シート高、これでトレールバイクなの?
カワサキの公式PVでは女性がバイクで軽快に走るシーンも構成されているが、実車のシート高は845mm。KLX230Sと同じ高さで、先代「スーパーシェルパ」の810mmと比べると35mmもアップ。気軽に乗れるトレールバイクを期待していたユーザーにはやや厳しめのシート高。低身長の人には足ツンツンで乗れっての!?
指摘その2:燃料タンクが小さすぎ問題
KLX230シェルパの燃料タンク容量は7.6L。先代「スーパーシェルパ」では9Lだっただけに、ツーリング用途を考えると少し心配。インジェクション採用で燃費性能が向上しているとはいえ、このバイクのターゲット層のひとつであるツーリングライダーを不安にさせてどうするの?
指摘その3:KLX230にオプションをつけただけ?
標準装備となったハンドガードやスキッドプレートはうれしい装備。でも、これらは既存のKLX230にもオプションで装着可能。これでは特別感に欠けるという声も納得できる!?
指摘その4:大自然を感じられない未来的フォルム
先代モデルのシンプルな雰囲気を好むファンにとっては、今回の「ゴツゴツ感」が好みを分けるポイントに。まったくの新車としてリリースをするのならこのデザインもアリだけど、「シェルパ」の名を冠するなら、もう少し先代の意匠を取り入れてほしかった。
以上がKLX230シェルパへのツッコミポイント。…うーむ、皆さんだいぶ辛口ですねえ。せっかくの新車なのに乗りもしないでこの批判は厳しすぎます! そこでオフロードバイク大好き人間の筆者が弁護させていただきます。
まずシート高ですが、オフロードバイクのサスは沈み込み量も多いので、数値のイメージよりは足つきは良くなります。
そして燃料タンクの容量が7.9Lとは確かに少ないような気がしますが、“実燃費に近い”と呼ばれている「WMTCモード値」での燃費測定では34.7km/L 。これだけ走れば十分の余裕をもってツーリングできると思いませんか?
ハンドガードなどのパーツもオプションで買うと取付工賃もかかるため、これも最初から装着されているシェルパが絶対にお得。
最後のデザインですが、まあもともとのスーパーシェルパだって、当時はそれほどデザインを絶賛されていたわけではありません。今回はKLX230のカラー変更だけでなく、シェルパだけのデザインを新規採用したくれただけでも拍手すべき。個人的にはこのデザイン、めちゃくちゃ高評価ですけどね。
まあSNSでの「KLX230シェルパ」への辛口コメントは、ある意味でファンの期待の裏返し。市場から消えたヤマハ「セロー250」のポジションを、次世代トレールバイクとして引き継ぐことができるのか――その答えは、これからの実績次第といったところ。
KLX230シェルパの発売日は11月27日。まずはファーストロットで購入された人のリアルなインプレッションを楽しみに待ちましょう!
KLX230 SHERPA
メーカー希望小売価格 638,000円
232cm³空冷4ストローク単気筒エンジン
セミダブルクレードルフレーム
ホイール&タイヤ:フロント21インチ / リヤ18インチスポークホイール & デュアルパーパスタイヤ
フレーム形式: セミダブルクレードル (高張力鋼ペリメター)
懸架方式 (前) :テレスコピック (インナーチューブ径37mm)
懸架方式 (後) :ニューユニトラック / プリロード調整可
ホイールトラベル (前): 200mm
ホイールトラベル (後) :223mm
キャスター :24.6°
トレール :96mm
ステアリングアングル (左/右): 45° / 45°
タイヤサイズ (前): 2.75-21 45P
タイヤサイズ (後): 4.10-18 59P
ブレーキ形式 (前): シングルペタルディスク (外径265mm)
キャリパー (前): デュアルピストン
ブレーキ形式 (後) :シングルペタルディスク (外径220mm)
キャリパー (後) :シングルピストン